序章



そう……この封神計画に加わったきっかけは元始天尊さまのもと

で修行中のことだった。

山にのぼって洞府にたどりついたのは16才のときだった。

はじめて白鶴にあったのもその日だった。

「わーいお客さんだ! わたし白鶴童子(はっかくどうし)よろ

しくね」

表情豊かで青い髪ときらきらと光る瞳が特徴的な女の子で、鶴の

化身なのかいまだ定かではないけど、頭に鶴の羽のかぶりものをしていた。

「太公望っていうのね。この山のぼるの大変だったでしょ? で

も元始天尊さまの洞府にたどり着ける人はすごい仙人として素

質があるの。これから元始天尊さまのもとにあんないするねv」

それから5年。修行中の僕に元始天尊さまさまからお呼びかかかった。

「修行は滞りないか?」

「はい。……仙人になるために修行をつみもっと精進していこい

とおもいます」

拱手をしてこたえると、元始天尊さまは床までとどく白ヒゲのな

かから嗄れた手をだし、考え深気にヒゲを指の腹でいじりうな

ずく。

「いいこころかげじゃ……ところで太公望、ちと山をおりて欲し

いのじゃ…」

「え! どうして!」

といったのはぼくより白鶴のほうが早かった。

「元始天尊さまどーして、ししよーはがんばって修行してるよ!

 それって破門ってこと!」

 反べそになりながらぽかぽかと元始天尊さまの胸をたたく。

そんな白鶴のこうどうをだだをこねる孫娘とおもうのか、元始天

尊さまは宥めるように肩を優しくなぜいう。

「これ白鶴、はやとちりするではない。誰も破門とはいっておら

んて」

「え?」

「うむ…人界に妖雲が立ち篭めているのじゃ、朝歌あたりに。

それを太公望にしらべてもらいたいのじゃ…なにかよからぬこと

がおきてるのかもしれん。仙人は人界に関与してはならぬ身。

だが修行中の道士は別じゃ…だから太公望に調べてきてもらいたい」

「な〜んだ。じゃあししょーは破門じゃないのね! よかった」

ぱあぁと表情を明るくし白鶴は僕にふりむき「よかったね」とい

う。僕は頷き元始天尊さまからの命を拝する。

「わかりました。この太公望。人界におりその原因を突き止めま

す」

「たのんだぞ……この宝貝を持っていけそれは打針鞭という

きっと役にたつだろう」

「はい、ありがとうございます」

もういちど拱手をして踵をかえし、外にでる。

階の先には小さな庭がありそのさきは崖だ。……その下に人界が

存在する。あたりの風景は美しく静か。桃の香りが漂う。

人界か……僕は少々思いに耽っていた。

この仙界で修行して3年。より強くなりたいとおもいこの洞府にた

どりついた。決して長くない修行期間だかおもってみれば大分

通人にはできない戦術を学んだような気がするし、できるよう

になった。

そしてふたたび人界へ……か。

「ししょー」

階をおりかけた

その時白鶴が僕の腕に腕をからめてきた。

「鶴白、だからししょーと呼ぶのはやめろといっているだろ

う?」

「だって、そのほうが呼びやすいんだもん」

あくびれずにいう。そんな白鶴を僕は妹のようにおもっていた。

「ねえ、私もいっしょにいきたいな〜きっとししょーの役に立つ

とおもうよ。ね、ねね?」

「だめだ。これは僕の仕事なんだから」

「そうじゃよ白鶴、太公望の仕事のじゃまをしてはいけない」

いつのまにか元始天尊さまが背後にたって、白鶴をたしなめる。

「ぶ〜! いいわよー。私の力が必要になったらいつでもよんで

ねー!」

「そうならないようにがんばるよ」

僕はそういい、土遁の術で人界におりたった。

……妖雲たちのぼる地、朝歌へと。


さっそく朝歌に辿り着いた僕の目の前に恐怖におびえた中年の男

とであった。

「っわあ!」

「ああ、すみません。僕は修行中の道士で太公望ともうします。

あのいったいなにがあったのですか?」

「ああ、道士さまか! よかったおれはてっきり妖魔かと…」

「妖魔?」

「ああ。さいきん妖魔が頻繁にあらわれては人を喰うんだ。銀色

の狐のな。俺はこのまちを逃げることにしたんだ。王とお妃様

の所為で街は、いや国はめちゃくちゃさ!」

「王とお妃……」

「道士さま、もし朝歌にいくならやめときな、命がねえぜ」

そういいのこし追われるように西へさっていく。

僕は妖雲たちこめる空をみあげた。

どす黒い雲が渦巻いている。そこはやはり朝歌。

王と妃か……

僕は呟きつつ朝歌に向かった。

門衛はいなかった。だから簡単に中に入れたが。

「おめぐみを……」

「……!」

僕は目を見張った。

痩せこけ明日への食事に途方に暮れた人々、力なく壁によりかか

り暗い瞳を向ける孤児…。

「どうかおめぐみを…」

僕は目をふせた。 「すまない。僕はなにもしてあげられない…おしえてくれ、

どうしてこのような」

「王とお妃様の贅沢のせいだよ。儂は税金がはらえず、家財をす

べてうばわれてこの有り様だ。みなそうじゃ。拒否すればひど

い刑罰がまっている」

「刑、罰?」

その問いは向こう側でしゃべっている女官と役人の会話でしれ

た。

「宰相の揚任さまが刑罰に?」

「ああ。妃さまを諌めたために両目を抉られたそうだ」

「まあ…」

女官は気の毒そうに袖で口元をおさえつつ、続ける。

「……黄将軍はいまは牢の中、太師様は遠征中。もはやこの朝歌

では諌めることができるかたはいなくなってしまったのですね…」

「だれかこの…」

「し…!」

たしなめ先に続き言葉をとめる。

僕は原因はこの国を治める紂王とその妃にあると考えた。

そのときだ。

「きゃああ!」

悲鳴が聞こえ僕はとっさにかけだしていた。

「どうかどうか! お止めください!」

「かあちゃん!」

「さあ紂王さまのもとへ参るんだ、おまえを御所望だ」

「いや! 私には子供と夫がいます!」

「そんなにふたりが心配なら……」

剣を抜き放ち、残忍な笑みをうかべ、

「殺してやるよ!」

いうや、狂喜に剣を子供に…そして夫にふりおろす。

「やめろ!」

ぎいん!

鞭と剣が響きあう。

僕はふり下された剣を受け止めていた。

さすが宝貝。鞭には傷もなく、反対に刀が亀裂とともに二つに折

れた。

「さあ、はやくにげてください!」

「あ、ありがとうございます!」

家族三人は礼をいい、逃げていく。ほっと内心おもいつつ、

僕は朝歌の兵士たちをみすえる。

「……おまえたち、人間ではないな!」

にがにがしい表情をしていた兵士達はその言葉に眉をあげた。

「ほお…見遣るとは仙界…の道士だな!」

「これはとらえて胡雉眉さまに報告しなくては…」

「!」

怪しい光が三人の兵士から発せられた。

瞬く間に人から妖魔に変じていう。

口からはながい舌を吐き出して、

畝る。

眼球も天にのびていく。

肌は魚のウロコと化し、液体がその肌をすべる。

体をおおっていた鎧は液体に消化された。

僕は構えて呪をとなえる。

だが人界と仙界では次元がちがっていた。

道術の発動が緩慢といえるほど襲い。

それは妖雲も関係しているのかもしれなかった。

けれどなんとか気力をためつつ、

元始天尊さまからいただいた打針鞭のおかげで打開することはできたが。

「そこまでです。仙界の道士!」

「なに!」

とつぜん、夢幻の術をつかわれ、

さける手だてもなく僕の意識は白濁していった。

耳にその妖魔の名をきいた。……胡雉眉さま。と


「崑崙の道士をお連れいたしましたわ」

胡喜媚は僕を謁見の間に引き出した。

どうやら朝歌には崑崙の調査のことはしられていたらしい。

まだ余韻がのこる術にめまいをおぼえながら、あたりに、そして

玉座を眺めた。

玉座のそばにはネコの瞳をおもわせる女性、卑屈そうな男、玉座

には妃と紂王がいた。共通するところはみな残忍な雰囲気がた

だよっているところだろうか?

危うさを感じさせる。

「ようこそ、崑崙の道士。妾は紂王妃が妲己。あなたがもってい

た宝貝は妾がいただきました」

「おまえが妲己か!」

僕はハッとして叫ぶ。

「おまえが王に下賜されたと同時にこの国はみだれたときいた。

たしかにあたなには人間の気配はしない、お前は!」

「なんてしつれいなんだい!紂王の妃妲己さまにたてつくなん

て!」

とたんに烈火のごとく玉座のそばにいる女官はおこりだした。

「王貴人、おしずかに」

妲己にたしなめられてとたんに大人しくなる。妖艶な声音には他

を圧するものがあった。

妲己は妖艶に微笑み赤い唇に指をそえた。

「このまま道士をいかしておいても面倒ですわね…」

「そうですわ、妲己様。こんな道士焔洛でぱぁ……っともやして

やったら?」

と王貴人は提案し、それも良い考えだけれどもという口調で胡喜媚がいう。

「いえいえ毒蛇の穴に放り込むのがいちばんです」

そしておもむろに紂王が口をひらく。

「そういえば最近人を槍でついていない…腕がにぶっているから

その者で試してみたい……くくく……」

残忍な笑い声にかさなって、文官が感嘆のをあげた。

「おお…みなさますばらしい…この費仲、考えもつきませぬ」

「ふふ、でももう少したてばいい考えがうかぶかもしれませんわ<ね」

妲己はうっとりと呟き、紂王の耳朶になにことか呟いた。紂王は

にやりとわらうと玉座をたち、命ずる。

「妲己のいうとおりだ。すばらしい案が浮かぶまでわしは妲己と

休むことにする」

そういい、その場をふたりは離れトビラにむかう。

「まて、妲己! お前は!」

「道士さま、このまま知らずに死んだ方が幸せですよ……

くすくす」

妖艶に微笑む妲己だが、そのときほんの少し正体をあらわした。

幾年の齢をかさねた銀狐の姿が影に……。

僕は兵士につれていかれるままに謁見の間をあとにするとき、

女官と目があった。その深い藍色の瞳は涼やかで、この謁見の間

にいるものたちとはあきらかに違った。

「ここにはいってろ!」

両手をしばられ、むりやり牢屋に放り込まれる。僕は冷たい牢屋

の石畳みにひざをつき、嫌な笑みを浮かべる兵士を

にらみやり、その姿が消えるまでを追った。

カツカツ…ひびきはしだいに消えていった。

どうすれば…と悩んだときだ。

「お主も妲己にやられたのか?」

低く、威厳のある、男の声が聞こえた。

振り返る。

燭台にてらされるその人物は声と同様、威厳があり体躯のいい。

黄色を貴重にした鎧をまとっていた。

「あなたは……?」

「近衛軍指令…黄飛虎と申す」


僕は眉をあげた。

あの二人が黄将軍…牢屋に閉じ込められたという話をしていた。

もしかしたら。

「あなたが、黄飛虎将軍ですか!」

「ああ。おぬしは?」

「僕は太公望ともうします。崑崙の道士で師匠の命でこの朝歌に

ただよう妖雲の原因をつきとめるために人界におりたのです

が、妲己の部下にとらえられて…。あの妲己は齢をかさねた妖魔でした」

 黄飛虎どのは

「やはりそうか。わしは宮中で妖魔をみつけきりつけた。逃しは

したものの、深い傷をおわせたのだ。だが翌日紂王様によみだ

され、なんと妲己に怪我をおわせたというではないか、わしは

必死に弁明したのだが聞き入ってもらえずこのざまだ……そう

か…妲己は妖魔にとりかわっていたのだな。蘇護どのはこのこ

とをしったらさぞ悲しむだろう…」

「蘇護どの?

」 「妲己の父親だ。こうしてはおられん、ここを脱しなければ!」

「そうですね」

僕は力をこめてナワをちぎる。道士たるものこんな戒めは簡単に

とかれる。黄飛虎どのはもとより自分の力で解いているよう

だった。

「ここは土噸の術で…! はあ!」

僕は気を集め牢を壊そうとしたが、気が霧散し術が発動しない。

「なんていう…僕の力ではどうにもならない!」

 そのときだ。 足音が階上からひびいた。

僕達はおもわず身構える。

燭台をもちあらわれたのは、なんと、あの謁見の間にいた女官

だった。

彼女は薄い唇にしなやかな人さし指をそえ静かにと合図した。

そして辺りを見渡し。そしてにっこりと微笑む。

「だいぶお困りのようですね」

そういって牢屋のカギをあけ武器、防具、そして宝貝を僕達に手

渡す。

僕は彼女に感謝しながら彼女にたずねた。あの謁見の間に彼女は

いたのだ。この人は妲己の手下ではなかったのか?

「あなたは?」

「ただの女官ですわ」

くす…とわらいいう。

黄飛虎殿は

「感謝する。きっとこの御恩は…」

「まずはここからでてからですわ」

そういい、僕達は彼女の手引きで牢屋をそして王宮を逃げ出すと

兵士が待ち構えていたがなんとか切り抜け城をぬけることに成功した。

「まずはわしの屋敷へまいろう」

黄飛虎どのの提案でひとまず向かおうとしたが…。

悲鳴がこだました。

「まさか…!」

黄飛虎どのはその断末魔をきいて血相をかえ、かけだした。

黄飛虎どの館はほのおにつつまれていた。そして目をみはる。

家人や婦人がころされていたのだから。庭が朱にそまっていたのだ。

そして炎にてらしだされる兵士達。

それを率いて指揮するのは胡喜媚だった。

彼女は妖艶で残忍な笑みをうかべいう。

「反逆罪、脱獄にくわえ、親衛隊との戦闘。

一族誅殺も止むなしとの陛下のおことばでございます」

「へ、陛下が……」

蒼白となる黄飛虎どの。

「ようよう、ねえちゃん、まさかねえちゃんも戦うんじゃねえだ

ろうなあ」

一人の兵士が僕達とともに女官にきた、いやらしい目でちかより

たずねる。手にはヒ首がにぎられ、白い彼女の肌に歯をあて、

赤い筋を与える。それでも彼女はおくすることはなく、いう。

「ええ、あなたより修羅場はくぐり抜けています」

「なにを!」

兵士はヒ首をふりあげるが、彼女の手に瞬間光が帯び、槍にな

る。三尖刀だ。

手早く、振るい兵士を貫き刺し殺した。

「ああ、でもこのすがたは確かにやりにくいですね。では!」

光をおびて彼女の姿は形をかえる、

知的な黒耀の瞳、鼻筋がとおった白い面、青を基調にした道士服

……まさか!

「崑崙派道士楊セン、師匠玉鼎真人の命により太公望どのを助太刀いたす!」


「なに!」

「吠天犬!」

刹那楊センどののそでから犬が舞いでて空にういた、そして光を

宿した牙で兵士にばけた妖魔を喰い殺していく。

僕達も楊センどのにまけぬよう、胡喜媚に攻撃を開始した。

胡喜媚は油断したようで、親衛隊がたおされたのしり、その場を

ひいた。

黄飛虎どのは戦いが終了した後ちからなくその場にくずれ呻い

た。 「黄飛虎殿……」

一族がみなごとしになったと涙する黄飛虎どの。僕はどう声をか

けたらいいのかわからなかった。

そのときだ。

がさがさ……

なにか、ものおとがする。

僕は楊センどのとともにそのほうこうにいくと、箱があった。

それに手をかけてみる。

「下郎! さわるな!」

とつじょ、箱から10才の少年がとびだした。

「僕は黄飛虎が息子。黄天祥! ぼくが相手になる!」

「天祥!」

「あ。父上!」

黄天祥となのる少年は黄飛虎殿の姿をめにするなり、大きな瞳を

うるませだきついた!

「この子はわしの子だ。そして天祥よ、このかたはわしとともに

たたかってくれたかただ」

「ああ、無礼なことを申しました、どうかお許しください」

拱手してていねいに無礼をわびる。僕は気にしていないと首をふり、

「ところでどうして箱の中に…?」

「母上が兵士達の襲撃をしると、僕を箱の中にとじこめでてきて

はいけないといって……。母上は、母上は父上!」

「天祥……母は……」

説明をすると少年は泣き崩れた。そして決意する。

「父上、僕は母上のかたきをとりたい!」

「そうだな……わしは陛下をたおす…この商のためにも……」

ふたりは西岐の姫発どのをたよることにしたようだ。

楊センどのは名案だとうなずき。

「姫発どのが味方になるとはこころずよいかもしれませんね」

「僕はしばらく黄飛虎殿と行動をともにしようとおもいます」

「では私もそうします」


脱出

僕達は黄河をこえるために孟津にむかった。けれどやはり敵はそ

う簡単には逃がしてはくれはしなかった。

「まちな、裏切り者の黄飛虎!」

妖魔を引き連れた女が僕達を待ちうけていたのは朝歌の謁見の間

にいた女だった。

「お前は確か…」

「私は副親衛隊の王貴人だ。そう簡単に黄河をわたれるとおもっ

たのかい?」

「家族をころされたというのに、お前だけ逃げるのかい?」

「もういちどいってみろ!」

戦闘がはじまった。

まずはじめに楊セン殿の哮天犬が空に舞い唸る。天祥の弓が敵を

うちぬき、黄飛虎どのの槍が妖魔をつらぬく。

僕は援護にまわりつつ打神鞭で敵の動きを鈍くする。

苦戦をしいられたが、なんとか王貴人をひかせることができた。

「終わった……てごわかった…」

安堵の息をつくと同時だった。

「ししょーかっこよかったよー!」

「白鶴!」

 突然白鶴があらわれたのだ。

「どうしてお前がここに?」

「わたし元始天噂さまの護衛できたのよv」

「え?」

雲を割り七輪にひかりに包まれて空から師匠がおりてくる。僕達

はひざをつき師匠に頭をさげる。

「師匠、おひさしぶりでございます」

「かた苦しいあいさつはよい」

「はい。師匠、あの妖雲の原因つきとめました。朝歌に巣くう妖

魔の仕業でした」

「やはりそうか」

揚センどのがいう。

「妖魔は黎明大戦の以来影を潜めたとききましたが…なぜいま

…」

師匠はうなずいて、

「ほんらいならわしら仙人が妖魔を封じなくてはならんのだが…

…ごほごほ…」

「師匠!」

「このとおり、仙界に長くいたせいで妖気にすこしでもふれると

このとおりよ……」

 僕はその師匠の苦しそうな姿をみて決心した。

「師匠、僕に妖魔退治を命じて下さい!」

「おお! よくぞいった。それでこそわしの弟子だ。お前に封神

榜をさずける。そして仙界は総力をあげてそなたに協力する」

「はい、死力をつくします!」

師匠はふたたび仙界にかえっていった。

「ししょーわたし、仙界と人界の連絡役になったの。またくる

ねー!」

白鶴もそういい仙界にかえっていく。

かくて僕は封神計画をおこなうことになったのだった。

「太公望どの」

「なんでしょう、黄飛虎殿?」

「わしとともにいかぬか? 目的は同じなのだから…」

「いいのですか? 僕からお願いしようとおもっていたところで

す」

僕は彼の申し出に心から喜び、いっぽう揚センどのは考え深くう

なずき、

「私はもう一度朝歌の情勢をしらべてからあなたがたと合流する

ことにいたしましょう」

「揚センどのなら大丈夫でしょうが、お気をつけて」

僕たちは船を漕ぎ関をめざす。


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